第38章 離婚沙汰になっておきながら、お腹には別の男の子を宿している

中野航平の視線は圧が強く、上に立つ者の強引さを隠しもしない。

昨夜の彼は――どこか、歯止めが利いていなかった。

長谷川栞が嫌がっていたのに、どうして無理に……?

それに、あの訳の分からない焦り。

「……は?」

中尾美希は、長谷川栞に徹底的に叩き込まれた表情管理のおかげで、咄嗟に顔は崩さなかった。だが中野航平に詰められた瞬間、心臓が喉まで跳ね上がる。

それでも、表面はきょとんと無垢に見せる。

「ワインセラーで適当に1本取って、開けてからデキャンタに移しただけです。ほかは何もしてません。……味、変でしたか?」

中野航平は長いこと彼女を見つめた。見られているだけで息が詰まり、中尾美...

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